こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。
僕は43歳「無資格・未経験」で異業種から、介護福祉・医療の業界に転職して来ました。
現在はきらケアで「派遣夜勤専従介護士」として都内の有料老人ホームで働いています。
先日こんなツイートをしました。
介護職に限らないけれど
「同じ仕事を10年続けた」
という実績は誇るべきだと思うもちろんただ月日を費やしただけではなく自分なりの拘りと情熱を注いだ、という条件付きだけれど
僕のように様々な業種を経験した人間より一つの仕事を極め切った人間は美しいし何より尊敬に値する
— ままる@異色の派遣介護士 (@mamaru0911) September 20, 2019
介護職に限った事ではありませんが「10年同じ仕事を続けてきた」という人を僕はとても尊敬します。
もちろん10年どころか20年、30年と同一のステージで活躍し続けられる「ベテラン」は、様々な業種を体験した僕からすると「憧れ」の存在なのです。
僕自身、介護業界に転職してから今年で4年目をむかえます。
同僚にはもちろん「10年選手」も大勢います。
今日は「介護職として10年働く事」の意義や意味についてお話しようと思います。
特定処遇改善加算について
「介護職で10年働く」
というワードで介護業界で働く人がすぐにピンと来るのが、2019年10月から始まる「特定処遇改善加算」では無いでしょうか?
今から一年ほど前に突如報じられた
- 勤続10年以上の介護福祉士に
- 月8万円の特定処遇改善加算がされる
という内容に介護業界全体に激震が走りました。
以降「勤続10年以上」「月額8万円」「年収440万円以上」などの刺激的なワードが一人歩きしましたが、結果的には
- 業種によって違う加算率で事業所に予算が入る
- 職員への予算の振り分けは事業所が行う
- 同一事業所10年ではなく他事業所も含めて業界経験10年程度でもOK
- 「介護福祉士」の資格保有者に限る
- 年間予算は2000億円程度で報酬改定だと1.67%の改善相当
のように落ち着きました。
って事です。
当初報道にあった「同一事業所10年勤務」とか「月額8万円」とかいう刺激的なワードはすっかり煙にまかれた感じなので、実際に介護職として働いている皆様も来月からはじまるこの制度にあまり実感は無いのでは?と思います。
大いに期待された特定処遇改善加算制度でしたが、現実はそこまでインパクトがあるものにはならなかった、ということです。
しかしながら今よりも「少しは」
「介護職10年選手」であるベテラン介護士の人の給料は上がるので、これはこれで良い事だと僕は思います。
10年同じ仕事をするということ
実は今日の記事内容は「特定処遇改善加算制度」について書きたい物ではありません。
僕が今回の記事で書きたいのは、同一の仕事を10年(又はそれ以上)続ける意義と意味というお話です。
僕自身、20代の前半から今までに3度の起業経験があり、実に様々な業種を経験して来ました。
しかし若かりし日の僕が憧れたのは、トレンドや時流に乗ってコロコロと職種を変える「商売人」よりも、実は経験の蓄積が実績と成る「士業」でした。
同じ職種、業種を10年20年と続け、その道を極めている人を見ると単純に「かっこいい」といつも思って来ました。
そんな「士業」への憧れもあり、僕自身4年前に40代にして介護業界に転職して介護職として働き始めた訳です。
10年間で「経験」を積んだ人とただ時間を浪費した人
もちろん同じ現場、同じ業界で10年働き続けた人は二種類に分けられます。
- 他の仕事をする事が出来ない、ただやる気がなくて10年過ごした人
- その仕事についてプライドを持ち、10年間追求し続けた人
同じ「10年」という時間を過ごしていても、上の①と②の人では結果がまるで違います。
もちろん僕が尊敬する人々は限りなく②の人達です。
人間は何かを始める事は実はあまり難しいことではありません。
しかしそれを「継続」し続ける事が出来る人はあまり多くは無いのです。
「隣りの芝は青く見える」
昔の人はよくいったものです。
特に転職を繰り返す人の中には、「もっと自分に合った場所があるのではないか?」と現実から逃げる形で転職を繰り返す人もいます。
そういう人は、自分の「妄想」である居場所を求め続けるだけで「10年」という貴重な時間を浪費してしまう。
そのような人生にきっと満足はありません。
とにかく目先の一つの事に集中し、納得するまで追求する。
次に自分の身を移すときは、その一つ目に納得出来たときだと僕は思います。
10年という時間を、一つの業種業界で追求して行けばきっと他者にはない大きな「経験値」を築けるはずです。
その「経験値」は、その人の大切な財産になります。
その財産を持って初めて、人は次の業種や現場に生かす事が出来るのです。
介護職の10年で得られるもの
では介護職として10年働いた人は、どんな経験値を得られるのでしょうか?
僕自身が出会って来た「介護職10年選手」の先輩方で、大きな勉強をさせて頂いた方々の特徴は
- 身体介護の技術が高い(介護技術が高い)
- 薬や医療の知識も豊富
- 介護制度等に詳しい
- 利用者だけでなくご家族とのコミュニケーションも上手い
- 後進の指導に熱心
- 何より利用者の気持ちを最優先している
こんな所でしょうか?
当の本人は全く意識していないようですが、僕は介護業界に転職して来てか数年の間に、上記の様なスキルを持った「介護職10年選手」に出会って来ました。
もちろん「10年選手」でも全く仕事に対しての情熱を感じられない人も多く存在します。
しかし数人ではありますが、限りなく「尊敬」に値出来る様な人に出会えた僕は本当にラッキーだと思います。
僕が日々介護職として働き続けられるのも、このブログを書き続けられるのも、その人達に多くを学ばせて頂いたおかげです。
この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
10年の実績に胸を張れ
ツイッターの投稿を見ていると、僕のフォロワーさんでも介護業界で10年以上のキャリアを持つ方は少なくありません。
しかしその発信には、どこか自信なさげな所が目につきます。
我々の暮す日本は、今後「超超高齢化社会」をむかえます。
2025年には全国で38万人の介護士が不足する
と言われています。
介護業界の人手不足はその深刻さを増し、もはや崩壊寸前のところまで来ている現状では、とてもこの先爆発的に増える高齢者たちを支える事は出来ません。
そんな今だからこそ、介護職の「10年選手」である、知識も経験も豊富な「ベテラン介護職」がもっと胸を張って介護業界を大きくアピールするべきだと僕は思います。
僕は介護職としてはまだまだ半人前です。
これからさらなる勉強と現場での経験を積んで行かなくてはいけません。
「同じ業界、業種を10年続けた」
という実績は、本人が思うよりもずっと貴重なものです。
尊敬すべき諸先輩方には、その実績を持っている自分を褒めて頂き、介護業界でのさらなる活躍を期待しています。
まとめ
何事も「ただ続けるだけ」では意味がありません。
しかし理念をもって打ち込んでいれば、その打ち込んだ「時間」は本人にとって貴重な財産になります。
相変わらず人の出入りが激しい介護業界で、10年以上働き続けている方々は本当にすごいと僕は思います。
僕自身、介護職に関してはまだまだ知らない事だらけです。
日々目先の仕事に全力を尽くし、少しでも多くの「経験値」を積んで行きいつかは他人から「尊敬される」ような介護職になりたいと思います。