介護問題

なぜ仕事をバックレる派遣介護士がこんなにも多いのか?現場放棄する介護職を考える

こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。

僕は43歳「無資格・未経験」で異業種から、介護福祉・医療の業界に転職して来ました。

現在はきらケアで「派遣夜勤専従介護士」として都内の有料老人ホームで働いています。

先日こんなツイートをしました。

一度でも介護施設で働いたことがある人は共感頂けるのでは無いでしょうか?

「派遣介護士のバックレ問題」

です。

僕はこの数年の間に、有料老人ホームや特別擁護老人ホームなどの介護施設を10ヶ所以上経験して来ました。

その先々で「派遣介護士のバックレ問題」に多数遭遇して来ました。

今ではもう「またかよ…」という気持ちになるだけですが、そもそもなぜ派遣介護士のバックレはこうも多いのでしょうか?

同じ「派遣介護士」として働く僕としては、到底理解に苦しむ行動なのですが、実際にこうも多いとそういう人の行動心理が気になります。

今日はそんな問題を掘り下げたいと思います。

仕事をバックレる派遣介護士たち

僕は今まで、都内近郊の10ヶ所以上の介護施設で働いて来ました。

僕自身「派遣介護士」という立場で働いていますが、派遣先の介護施設で度々起こる「派遣介護士のバックレ問題」には本当に腹が立ちます。

  1. 予定されている日時になっても姿を現さない「当日バックレ」
  2. 派遣就業後2〜3回出勤した後、連絡が取れなくなる「短期バックレ」

の二パターンが良くあるケースです。

①の場合、予め派遣会社との打ち合わせから「勤務初日」を当然設定されているわけで、この日になって来ないのは、本当に意味が分かりません。

②の2〜3回出勤の後にバックレるパターンも、OJTをした側からすると「全くの時間の無駄」になる訳ですからコチラ側の疲弊ダメージも相当なものになります。

https://www.kaigoshibaby.com/entry/goodojt

改めて書く必要も無いのかもしれませんが、「派遣介護士のバックレ問題」によって施設側や既存のスタッフが被る実害を次の項で説明します。

バックレる派遣介護士によってもたらされる施設の被害

いかに契約期間が限られている「派遣介護士」だったとしても、予定していた人員が「仕事に来ない」「急に仕事に来なくなる」と、まず大変なのが「シフト変更」です。

介護施設は通常、多くの介護職が交互に働く時間を分担する「シフト制」で運営されています。

常勤(正社員)介護士は、ほとんどの場合「日勤」と「夜勤」をこなしますから、通常であれば「夜勤明け」の翌日は所定の「休日」になります。

多くの人員の兼ね合いを取りながら、さらに個別の「希望休」を練り込み一ヶ月のシフトを組む作業は通常「主任」や「リーダー」「施設長」が行います。

この「シフト作成」の作業は、作った事がある人しか分からないと思いますが「尋常ではない」労力を要します。

僕自身、介護職は「派遣」でしか経験した事が無いので当然「介護職のシフト作成」は経験した事がありません。

しかしその昔、飲食店を複数経営していた時代は、この「シフト作成」にずいぶん苦しめられました。

そんな経験から、現在の介護施設での介護職でも「シフト作成」の大変さは痛いほど分かります。

当然ですがシフトは「予定されている人員」の翌月の未来を想定して作成します。

その人員がいきなり「来ない」「いなくなった」では、その人一人のシフトを組み替えるだけでは解決しない、途方も無い労力が掛かります。

また、2〜3回出勤の後にバックレる「短期バックレ」パターンの場合、勤務した日にOJTや教育をした労力やその人件費がすべて無駄になります。

自ら約束した仕事を放り出す「バックレ派遣介護士」の人は、この辺りの「迷惑」をどう考えているのでしょうか?

バックレる派遣介護士の特徴

僕自身「バックレる派遣介護士」とそもそもあまり面識がありません。

というのも「一度も面識無く」バックレる派遣介護士が多いからです。

ここからは僕自身の憶測になりますが「バックレる派遣介護士」の特徴として「コミュニケーション能力の低さ」があげられるのではないでしょうか?

派遣介護士という仕事は、就業期間が限定された働き方です。

その為、施設の都合により「派遣切り」に合う事も少なくありません。

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同一の施設であれば「3年」就業すると「派遣期間満了」として別の現場に移動しなくていけません。

一旦入職してしまえば、よほどの事が無い限り現場を移る事の無い「常勤(正社員)介護士」に比べると、派遣介護士は常に移動し、さらにはそこで新しい人間関係を築く必要がある働き方なのです。

その為に派遣介護士として働く場合、ある程度の「コミュニケーション能力」が必要とされます。

その介護施設や介護現場で「10年選手」であるベテラン介護職員や看護職員と協力して仕事を進めるには、必須と言える能力です。

しかし「バックレ派遣介護士」の多くは、この「コミュニケーション能力」が低い様に思えて仕方がありません。

「他人と関わって仕事をしていく」と言う事は、その相手の立場や苦労を理解しようとする気持ちが必要です。

先にあげた「バックレによるシフト変更」の労力が分かっている人は、そのような行為は行わないはずです。

この「コミュニケーション能力」に関しては、自分で自覚して矯正していくことがある程度可能な能力です。

心当たりがある人は、今日からでも遅くはありませんのでその手の書籍を読むなり、スクールに通うなどしてまずは「社会人として」基本となる水準まで自分を高める必要があるのでは無いでしょうか?

またそのような行動が取れない人は、そもそも介護職自体が向いていないのかも知れません。

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どこに行っても通用しない自分

今回の記事では「バックレ派遣介護士」について書いていますが、実はこの手の人はどの業界でも存在すると思います。

さらに言えば、この手の人は「何度仕事を変わっても」結局長続きはしないとも思います。

こう言った人々の特徴として、彼らの言い分が

「仕事先が自分に向いていなかった」

と共通している点です。

この類いの人々は、自分というパズルのピースがどこかの仕事先で「ピッタリ」当てはまるものだと思い込んでいるのではないでしょうか?

残念ながら世の中で、あなた自身が苦労せず「ピッタリ」当てはまる仕事や職場は存在しません。

パズルのピースで例えるならば、あなたが職場に当てはまる様に変わる事しか出来ないのです。

世の中で仕事をしている社会人であれば、自分自身の仕事に「我慢」をしないで生きている人はほとんどいないと言って良いでしょう。

ほとんど全ての社会人は、多かれ少なかれ自分自身の仕事に「我慢」しながら日々懸命に働いています。

それが出来ず、自分が働いてみて「人間関係が悪い」「給料が安い」「友達が出来ない」と不満ばかりを言って仕事を続けない人は、結局どこに行っても通用しません。

派遣介護士という仕事を自ら選んだのであれば、まずは決められた派遣期間(2カ月でも3ヶ月でも)の仕事を全うすべきです。

あなたに何かが見えてくるとすれば、きっと自分自身の責任を果たしたその後だと僕は思います。

派遣しか出来ない人あえて派遣で働く人

僕自身は介護業界において「派遣」という働き方をおすすめしています。

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それは僕自身が「派遣介護士」として働いてみて、それなりに魅力とやり甲斐を感じたからに他成りません。

介護業界に転職して多くの同僚「派遣介護士」との出会いがありました。

しかしその中には、確固たる目的をもって「派遣介護士」として働いている「あえて派遣介護士」もいれば、どこの業界にいっても仕事が続かず、流れ流れて結局「派遣介護士しかできずにしている人」も多くいます。

当然今回のテーマである「バックレ派遣介護士」の多くは、後者の「派遣介護士しかできずにしている人」です。

それは自分が今まで生きて来た結果でもあるので、すぐに改善されるものでは無いかも知れません。

しかしそのような人々が行う「バックレ」という無責任極まりない行動によって、日々懸命に働く同僚に多大な迷惑が掛かっているという点を、今一度理解して欲しくて今回の記事を書きました。

この記事によって今後少しでも「バックレ介護士」が介護業界から減る事を願って止みません。

まとめ

いささか愚痴のようになってしまった今回の記事ですが、僕自身「派遣介護士」として働き続けている今、現場で「バックレ」が起こる度に「またか…」と呆れた思いになってしまいます。

その度に自分が働く介護施設で「派遣介護士」という働き方をしている全ての人が、否定されているような気がするのです。

今現在介護派遣会社は、予定されていた人材が「当日バックレ」しても介護施設に謝罪の言葉を贈るだけで、シフト変更の労力を補ってくれる訳ではありません。

今後日本の高齢者人口がピークに成り、今以上の「超高齢化社会」になった時、介護派遣会社も「当日バックレ」に対しての補助要因や保障を考える必要があると、僕自身は強く思っています。

介護業界全体が「成熟」していくとはそういう仕組みが整っていくということです。

「バックレる派遣介護士」は今後淘汰されていくべきです。

またそういった「バックレ人材」を扱っている介護派遣会社も今後淘汰されていくべきです。

業界全体がそのように「成熟」していくことを、僕は多いに期待しています。