こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。
僕は43歳「無資格・未経験」で異業種から、介護福祉・医療の業界に転職して来ました。
現在はきらケアで「派遣夜勤専従介護士」として都内の有料老人ホームで働いています。
ネット上でよく「キラキラ系介護士」という言葉を目にします。
介護職に対して、希望や向上心を強く持った人を「そうでない介護士が」揶揄する時に使う言葉です。
僕はどうもこの「キラキラ系介護士」という言葉に違和感を持ってしまうんですね。
今日はその理由について書いてみようと思います。
キラキラ系とは?
そもそも「キラキラ系」という言葉は、どうやら「キラキラ系女子」という言葉から生まれて多方面で使われる様になったようです。
女性としての人生を満喫しているようにキラキラと輝いて見られがちな若い人のこと。一般に、容姿を磨くことに熱心で、ファッション・男女関係を特に重視するタイプとされる。また、金銭的に恵まれている、あるいはダブルワークをするなどして十分な金銭を稼いでいることが多い。男女ともに好かれ充実しているキラキラ女子がいる反面、特にネット上で自分の見かけや豪華な暮らしぶりを強くアピールし自分を高く見せようとするなどして反感を買うような女性もキラキラ女子と言われる。
なるほど。
つまり「キラキラ系女子」をまとめると、
- 人生を漫喫しているように見える
- 容姿を磨く事に熱心
- ファッション・男女関係を重視
- 金銭的に恵まれている
- 自分のお金や見た目をネット上でアピールして自分を「高く」見せようとする
こんなところでしょうか?
こう書き出すと、確かに「キラキラ系女子」は、同性だけではなく異性にも「反感」を買いやすく、嫌われる傾向があるだろうと推測出来ますよね。
今一度考えてみると、一昔前に流行った言葉
「リア充」
に似ていると思いませんか?
リア充(リアじゅう)は、リアル(現実)の生活が充実している人物を指す2ちゃんねる発祥のインターネットスラング。
ご存知の通り「リア充」はtwitterやFacebook上で「リアルな生活」の充実ぶりをアピールする人に使われた言葉です。
ここで気になるのが「キラキラ系女子」も「リア充」もその言葉を使う人は、自分自身が「キラキラ系」でも「リア充」でも無い人々である、という点です。
自分の人生がが絶賛「幸せ」「充実」していないからこそ、そのような人々を差して「自虐的に」使う事が多い言葉ですよね。
自虐的であればまだ良しとしますが、中には「キラキラ系」「リア充」の人々を「悪しき人々」として糾弾する人さえ存在します。
中には自分自身が本来そうでは無いのに「キラキラ系」「リア充」として「高く」見せようとする人も多いので、どっちもどっちではありますが、これらの言葉は主に
自分の人生が思う様にいかないから出る「妬み」の言葉である
という点に僕は着目しています。
(注)一部では
- 介護職への偏った情熱を注ぐ「勘違い介護士」
- 自分の経験だけを無条件に他の職員に押し付ける「勘違い介護士」
- 自分の知識が全てで新しい知識や意見を受け入れようとしない「勘違い介護士」
のような人々を「キラキラ系介護士」と揶揄する風潮もありますが、僕からするとこのような人々は単なる「勘違い介護士」です。
この記事で「キラキラ系介護士」と定義するのは、あくまで介護職や仕事の前向きで一生懸命に働き周りから「キラキラ見える」人々のことを差します。
なぜ人は人を「妬む」のか?
人間には大きく2つの種類の人がいます。
自分よりも能力や外見、人生の全てが「勝っている」と思える人にあった時に
- その人に何とか近づいてみよう、超えてやろう、と自助努力をする人
- 自助努力は一切せず、その人を「妬み」の一心で何かと文句を付ける人
僕自身は完全に①の性格の人間です。
なので今までの人生で他人を「妬む」ことはした事がありません。
以前自分が起業して経営者だった時も、自分よりも遥かに優秀と思える経営者に出会った時「妬み」の心情は一切無く「その人に近づく為にはどうするべきか?」だけをいつも考えて生きていました。
その最大の理由は②の考えを持って生きていても、何の解決にもならない、という事を心底理解していたからです。
自分より稼いでいた人をいくら「妬む」ことをしても、自分の年収が上がる訳ではありません。
自分より容姿が優れている人を「妬む」ことをしても、自分の容姿が良くなる訳ではありません。
つまり人を「妬む」ことをする人は、物事の本質を見たり「合理的」に物事を見れない人が圧倒的に多いと言う事です。
人を「妬む」時間があるのなら、その分自助努力をして自分を向上させるべきだと僕は当たり前に思っています。
キラキラ系介護士が叩かれる理由
ネット上で「キラキラ系介護士」が叩かれる理由もまた、上記に書いた通りだと僕は思います。
一部の「介護職に熱心な人」「介護職にやり甲斐を持っている人」に対して「キラキラ系介護士」という言葉で「妬む」人々の行為が全てでは無いでしょうか?
もちろん「キラキラ系女子」の部分でも書いた通り「自分は介護職に熱心な素敵な人なんだよ」と自分を「高く」見せようとしている人もいるのは事実です。
その様な人は論外だとしても、純粋に介護職に対して真摯に向き合っている人を「キラキラ系介護士」という言葉で揶揄する意味が僕には分かりません。
そのような言葉で揶揄している人々は、心のどこかに「妬み」があるのでしょう。
自分自身も介護職に対して、もっとプライドを持って働きたいし、充実した人生を送りたい。
しかし現実は
- 職場の人間関係が悪い
- 給料が安い
- 恋愛が上手くいかない
- 将来のキャリアアップが不安
などなど自分の人生を「肯定」する要素が少ないのだと思います。
それ故にネット上で「キラキラ発言」をしている介護職に対して「キラキラしてんじゃねーよ」と悪態をついて自分は全てを知った気を装っているとしか、僕の目には見えないのです。
そんな暇があるのなら、自分が目指す「キラキラ」した人生を送る為に何かしらの自助努力を今の瞬間から始めたら良いのでは無いでしょうか?
それが出来ないから「他人を落とす」という生き方ほど、見ていて憐れな物はありません。
非キラキラ系介護士が取るべき行動
介護業界は知っての通り「万年人手不足」です。
「キツい」「汚い」「危険」「給料安い」の「4K」と言う人も少なくありません。
そんな介護業界で働きながら「キラキラ系介護士」を揶揄したり、愚痴ばかりこぼしている人が多いのも介護業界の特徴です。
僕自身はそのような「非キラキラ系介護士」の人達の行動が一向に理解出来ません。
自分たちが働く職場、業界に「不満」「不安」があるのであれば、それを「改善」する為にどうすればいいのか?という事を考えて行動するのが「合理的」なのでは無いでしょうか?
ネット上に愚痴ばかりをつぶやいても、あなたの環境自体は一向に良くなるはずがありません。
少なくとも、そのような「非キラキラ系介護士」の人も現在進行形で「介護業界」に従事している訳です。
それにもそれなりの理由があるはずです。
そうでなければ介護業界に見切りを付け、他業界で働いているはずですからね。
介護業界の「負の部分」だけをつぶやくのではなく、自分が思う「良い部分」をつぶやいてみたらどうでしょうか?
重ねて言いますが、介護業界は万年人手不足です。
ネット上に介護業界の「負の部分」が溢れているうちは、介護業界以外の人が「介護職に転職してみよう」と思うはずがありません。
仮に介護業界の「良い部分」が圧倒的多数でネット上に拡散されていたら、その情報を見て他業界から介護業界に来てくれる人が増えると僕は思っています。
飲食業界の成熟
このブログでも度々書いていますが、僕は20代前半から起業して「飲食業界」に長い事従事していました。
その僕が思うことは「飲食業界」と「介護業界」は構造が非常に似ている、という事です。
「飲食業界」と「介護業界」の対比については、度々記事にもしています。
僕がこの両業界について言及すると、Twitter上では
「飲食業と介護職は全然違うよ!」
などの批判的な意見が多く寄せられます。
しかし僕が言っているのは、あくまで両業界の「構造」の部分なんです。
僕が初めて飲食業界に従事したのは、今から30年前です。
当時高校生だった僕は「バイクの免許」が欲しくて、近所のイタリアンレストランの厨房でアルバイトを始めました。
結局はそのバイトが楽しくて、4年間同じ店で働き、後に自分の飲食店を開業することになります。
しかし「楽しい」とは言え、30年前の飲食業界はそれはそれは「未成熟」な業界でした。
そもそも飲食店の「厨房」の仕事に「教育」や「OJT」などの概念が全く無かったんですね。
「厨房での仕事は見て覚えるもの」
という風潮が当たり前のようにあって、きちんとした「教育」など皆無なのが、「飲食業界の当たり前」だったんです。
当時「厨房」働くコック達は、そのほとんどが世間の「落伍者」「荒くれ者」のようなイメージでした。
厨房内で「未経験」の高校生の僕がモタモタやっていると、鉄のフライパンが飛んで来るなんて日常茶飯事でしたよ。。
本当に今では信じられない話かも知れません。
しかし30年前の「飲食業界」は間違いなく「未成熟」な何でもあり、仕事の全てを「マンパワー」で行っている業界だったのです。
世間での「飲食業界」のイメージも相当低い物でした。
「低賃金」「長時間労働」「汚い」「危険」は当たり前、そんな仕事を進んでする人は少なく他に仕事が無い様な人間が「しょうがなく」働く場、それが「飲食業界」だったように思います。
しかしこの30年という時の流れを経て「飲食業界」は「未成熟な業界」から「成熟した業界」に大きく発展しました。
大手のチェーン店が台頭し「外食産業」という言葉が出来ました。
いまや高校生のアルバイトを積極的に雇用する「マクドナルド社」「すかいらーく社」などは、完全無欠のマニュアル管理とOJTでその労働力を確保しています。
その成果もあり、この30年で両社とも3,000億円を超える年商を叩き出す「超有名企業」に成長しました。
30年前は「学歴不問」の代名詞であった「飲食業界」ですが、年号が令和になった現在では「大卒のみ」しか採用しない外食企業も多く存在しています。
当然ながらこの30年で「飲食業界」での「福利厚生」や「収入」も大きく改善されました。
「業界が成熟する」ということは正にこういった変化の事を言います。
「飲食業界」の成熟を僕自身は「起業」した立場でしっかりと肌で感じて来ました。
そんな僕が次に「成熟」しそうだと思う業界。
それこそが「介護業界」なのです。
キラキラ系介護士が介護業界を救う理由
僕自身がビジネスの第一線に20年間関わった結果、得た感覚では
「未成熟な業界」は必ず「成熟」する方向に向かう
という事です。
「未成熟な業界」というと、良くも悪くも「色々と足りていない」状態なんです。
ビジネスはそこにチャンスがあります。
逆に「成熟」して完成された業界には、入り込む隙間もチャンスもありません。
自然の摂理、ベクトルとして「未成熟な業界は成熟に向かう」という概念は間違った物ではないと僕自身は思っています。
飲食業界の「成熟」に一役買ったのが「カリスマ店長」の存在です。
僕自身一時ですが席を置かせてもらった外食業界の「異端児」長谷川耕造社長が創業した株式会社グローバルダイニング(以下GD)は、間違いなく「飲食業界」を「成熟化」させた一つの歴史的な企業だと僕は今でも思っています。
一軒の喫茶店から創業されたGDは、独特な雰囲気を持つ店舗開発で人気を得て次々と都内に店舗を出店していました。
その当時「飲食店の店長」の給料は「残業代など付くはず無い」状態で、手取り30万円位がせいぜいだったと思います。
しかしその当時のGDは、月収100万円以上、年収1,000万円以上の店長職を次々に排出して行き世間の度肝を抜きました。
そうなると世間には一つの動きが出来ます。
「俺もやってみたい」
そう思って「他業種」「異業種」から本当に多くの「凄腕」「優秀」な人材がGDに集結したのです。
ちょうど僕自身は運良くその時代にGDでそう言った人々と一緒になって働きました。
その経験と刺激は20年近く経った今でも薄れる事はありません。
そのような「飲食業界のスター」が誕生することによって、業界全体が一気に「成熟」の方向に向かったのです。
話を戻します。
現在の「介護業界」は間違いなく「未成熟」な業界です。
しかし「未成熟」な業界であればいつかは必ず「成熟」に向かいます。
それには「業界内の人間」だけでは変わりません。
業界の外から、どっと人が押し寄せてくるきっかけさえあれば「業界」は一気に「成熟」に向かいます。
僕が「キラキラ系介護士が介護業界を救う」という意味がお分かり頂けたでしょうか?
「介護職は大変だ」
「給料が安い」
「サービス残業が多い」
「有給が消化できない」
確かに現在の「未成熟」な介護業界では真実かもしれません。
しかし「マイナス面」ばかりを発してもあなたの置かれた環境は一向に変わりません。
介護業界、介護職にも良い面が沢山あるはずです。
「キラキラ系介護士」とまでいかなくても、現役介護職の「ポジティブな発信」の積み重ねが、僕には意味があることに見えるんです。
「負の発信」をしても誰も得しません。
自分が「厳しい」「辛い」と思うならばこそ、介護職の「プラス面」を発信して業界に少しでも変化を与えてみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
このブログでは今回の様な僕自身のオピニオン記事はあまり書いていませんでした。
しかし日々、Twitterで介護職の人のツイートを見ているとどうしても「業界全体で考えると損してる」という感覚が僕にはありました。
合理的に考えれば、自分が取るべき行動がわかるはずです。
最後に「介護業界にはGDのようなステージが無いじゃないか?」と思う人への回答です。
確かに今現在は、介護業界激戦区である都内近郊でも介護職が大きく活躍出来て、収入も格段に高いステージは用意されてはいません。
しかしこの数年の内に、僕は「介護業界のGD」が表れるような気がして成らないのです。
僕自身は現在「派遣介護士」として働いています。
しかしそれが一生続くような気も実はしていません。
僕は根っからの「起業家」であり「アントレプレナー」です。
近い将来「介護業界」が成熟するきっかけが現れないようであれば、ひょっとしたら僕自身がそのステージを創る日が来るかも知れません。