こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。
僕は43歳「無資格・未経験」で異業種から、介護福祉・医療の業界に転職して来ました。
現在はきらケアで「派遣夜勤専従介護士」として都内の有料老人ホームで働いています。
先日日本中に甚大な被害をもたらした台風19号。
その日にこんなツイートをしました。
台風一過
各地で甚大な被害が出ている
被災した方々には心からお悔やみ申し上げ早期復旧を願っている
昨日の勤務先では計画運行を見越して夜勤者は午前中に、帰れない日勤者は施設に泊まっていた
誰一人欠ける事なくシフトが回った
全て自分の判断で使命感の熱さを感じた
こんな仲間達幸せすぎる— ままる@異色の派遣介護士 (@mamaru0911) October 13, 2019
僕の働く有料老人ホームでは都内近郊の電車「計画運休」に合わせて、シフトに入っている全てのスタッフが電車の動いている間に出勤し、結果誰一人欠ける事なく現場を回しました。
施設側から「早めに出勤する様に」というアナウンスは一切無く、すべて自己決断による物でした。
この光景に僕自身は当日のスタッフの「介護士という仕事に対する責任感」を感じずにはいられませんでした。
今日はそのあたりを記事にしてみようと思います。
目次
台風19号による甚大な被害
10/12に都心を直撃した「台風19号」は、各地に甚大な被害をもたらしました。
その復興に関しては未だに見通しが立っていない場所も多くあると報道されています。
台風直撃の当日、僕は都内の有料老人ホームでの勤務が予定されていました。
幸い僕自身の通勤は問題ありませんでしたが、その日の昼過ぎより「計画運休」という措置が都内の各路線で取られ、ほぼ全ての電車が「運休」となる稀に見る自体に陥りました。
僕は長い事東京で生活していますが、このような大規模な「計画運休」は記憶にありません。
それほど今回の「台風19号」の規模は大きく、上陸以前から様々な注意喚起が行われていました。
結果、都内を含む各地で甚大な被害がありました。
しかし事前の備えや「計画運休」のおかげで、最小限の被害ですんだ地域も少なく無いと思います。
台風の被害に遭われた方々には、心からお悔やみを申し上げ、一日でも早い復興をお祈りしています。
計画運休によって都内はどう変わったのか?
僕自身経験した事が無かった「計画運休」。
昼過ぎより都内のほぼ全ての電車が動かなくなると決まって、多くの人が「仕事を休む」という事態が起こりました。
都内のスーパーや飲食店、コンビニまでもが軒並み「休業」し、外を出歩く人はほぼ皆無というのが10/12の夕刻の都心の姿です。
東京、神奈川、埼玉、千葉の郊外にある駅ビル型のショッピングモールなどは、その「館」ごと休業したため、多くの「サービス業従事者」の仕事は休みになり自宅待機を余儀なくされたのです。
いわゆる「お店」と呼ばれる業態のほとんどは、10/12の夕方までに閉店していたと思います。
しかし僕を含めた介護職、医療職などは当然「閉店」する訳にはいきません。
都内の交通網が完全にマヒした状態でも、シフトに入っている職員達は「何とかして」職場にたどり着く必要性があったのです。
僕の働く職場の人々
現在僕の派遣先である有料老人ホームでは、まずリーダー職に就いている人員は全て2日前から職場に泊まり込んで仕事をしていました。
その為に10/12当日に、職員が最悪出勤出来ない事態になっても控えている人員でギリギリ回せる状態が出来上がっていました。
しかしその状態では、当然リーダー職の人員達に負担が掛かるのは目に見えています。
施設側からは「当日何としてでも出勤するように」というようなアナウンスは一切ありませんでした。
しかしいざ当日になると、電車の動いている午前中に10/12の夜勤スタッフ、10/13の早番スタッフ、日勤スタッフが次々と出勤して来ました。
さらに10/12の日勤、遅番スタッフもその日は帰宅せずに施設に泊まるという準備をしていました。
結果、10/12のその施設では、いつもより人員が多いくらいの状態で現場を回す事が出来ました。
僕が目にして驚いたのは、どのスタッフも大きな買い物袋をさげてお菓子や食べ物、飲み物などを持参し、まるでパーティーでも開くような準備をしてきたことです。
いやいや出勤しているような人は皆無で、むしろその夜は勤務の無い人達は一同に集まり、自分たちの介護現場について一晩語り明かした人達もいたと言います。
彼らはいったいなぜ、そのような行動が取れたのでしょうか?
僕は彼らの「責任感」をそこに強く感じました。
あなたは自分の仕事に「責任感」を持っているか?
これは介護職に限った話ではありませんが、仕事に「責任感」を持って向き合っているかどうかは、その人の人生の「充実感」を大きく左右する事だと僕は常に思っています。
いまさら言うまでもありませんが「仕事」とは、ある一定の責務を決まった時間に消化して「賃金」をもらう人間の根源的な活動です。
もちろん「仕事」と割り切って、心情とは全く別にその「仕事」「作業」をこなし、賃金を稼ぐ事は何も悪い事ではありません。
しかしある一定の人は、自分の仕事に「責任感」を持って取り組んでいます。
「責任感」とは、自分以外の誰かに「持て」と言われて簡単に持てるモノではありません。
自らが感じ、自らの感覚でその「責任感」を全うする質のモノです。
自分の仕事に「責任感」を持って向き合うと、そこには「向上心」が生まれ、より自分の仕事に充実感を得られるようになります。
しかし個人の「責任感」を社会では明確に評価する基準は、残念ながらありません。
責任感を持って働いても、そうでなくても稼げる賃金は一定である場合がほとんどです。
「責任感を持つ、持たない」は本当に個人の感覚が全てです。
責任感を持たないから「社会人ではない」とか「仕事が出来ない」ではもちろんありません。
しかし責任感を持って自分の仕事に向き合うと、時として自分自身に「充実感」を与えてくれる事もまた確かな事だと思います。
仕事に「責任感」を持つ、ということは究極の「自己満足」なのかも知れません。
しかしその自己満足の先に個人の「充実感」があるのだとすれば、それは1つの「生き方」「働き方」として僕は間違っていないと思っています。
自分自身の仕事に「充実感」が感じられない、という方は是非この辺りを考えてみてはいかがでしょうか?
台風19号で孤立した「特別擁護老人ホーム」
川越で堤防が決壊し、260人もの人が孤立した「特別擁護老人ホーム」 (川越キングス・ガーデン)の報道映像を見た人も多いのでは無いでしょうか?
報道映像の中には、消防や救急の隊員に混じって利用者を救助する介護職の姿も多く見えました。
認知症やマヒなどを患う利用者をボートで救助するのは、介護職として働いた経験がある人であれば、その大変さは想像出来ると思います。
日々利用者に接していた介護士であればこそ、利用者を安全に誘導出来たのでは無いかと想像します。
映像を見ながら、現場の介護職の方々の働きぶりに思わず「頑張れ」と声を掛けてしまいました。
世間では目を向けられる機会が少ない介護職ですが、本当に世の中に「無くてはならない」職種だとあらためて感じました。
原状回復や復興はまだまだ時間が掛かると思いますが、現場の職員の方の仕事ぶりを陰ながら応援しています。
介護医療業界での責任感
今回の台風19号の影響により、都心を含む多くの地域で「お店」の閉店が目立ちました。
一方で我々「介護職」「医療職」のほぼ全ては、「休業する」という選択肢を持てないケースがほとんどだったと思います。
これは「責任」「無責任」という問題ではなく、社会的に「無くても困らないもの」「無くてはならないもの」の差だと僕は思います。
世間のスーパーやコンビニ、アパレルなどの「小売店」は、自社の利益の為に活動する「営利団体」です。
その為「休業する」という事は、自社の売上や収益に影響を与える物の、社会的な立場では実はなんとかなってしまう事がほとんどです。
しかし我々「介護医療」の業界は、「無くてはならない」社会的な責任を背負っています。
病院や介護施設には、多くの患者や利用者が365日24時間待機しています。
そのケアを担う我々業界人は、今回の自然災害時でもその活動を止める事は出来ません。
そういった意味では、一般業界より強い「責任感」を持って仕事に従事すべきだと僕は思います。
もちろん介護医療の業界でも、責任感が無い自分勝手な行動を取る人も大勢います。
しかし幸いながら今の現場には、責任感を持って仕事に取り組んでいる介護職がほとんどです。
僕自身そんな現場で働けて幸せですし、日々様々な気付きと勉強をさせてもらっています。
これから介護職に転職しようと思っている方がいたら、そういった責任感を持って挑んでもらいたいですし、そのような仲間が多い職場に従事できることを願って止みません。
まとめ
今回の記事も賛否両論あるかとは思いますが、僕自身は自分も含めてこれからも「責任感」を持って仕事に向き合っていきたいと思います。
たとえば「高齢者拘束」のこの記事も
一人の介護職の裁量に任されている現在の介護業界の風潮を考えれば、介護士個人の「責任感」がすべて解決するように思います。
「責任感」を持つ、と言う事は何も「プレッシャー」を自分で感じる事ではありません。
その先の「充実感」という究極の自己満足の為に今よりも少しだけ「責任感」を持って仕事に取り組めば、今とは少し違った面が自分の仕事に見えて来るかも知れませんよ。