介護問題

【施設介護士必見】立ち上がり頻回な利用者さんへの対処法|転倒リスクを減らす方法

こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。

僕は43歳「無資格・未経験」で異業種から、介護福祉・医療の業界に転職して来ました。

現在はきらケアで「派遣夜勤専従介護士」として都内の有料老人ホームで働いています。

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先日このようなツイートをしました。

多くのリツイート、いいね、コメントが寄せられました。ありがとうございます。

僕と同じ様に老人ホームのような介護施設で働く「施設介護士」であれば、一度は経験した事がある光景だと思います。

  1. 車イス、もしくは食席から頻繁に立ち上がる利用者さん
  2. その行為を止めようとして大声を出す介護士(中にはベテラン介護士のケースも)

今日はこの「立ち上がり頻回な利用者さんへの対処法」を記事にしようと思います。

この記事を読んでもらいたい人
  • 介護施設での利用者さんの頻繁な「立ち上がり」にどうしていいか分からない人
  • 介護職員として「正しい」上記の対処法が知りたい人

なぜ利用者さんは立ってはいけないの?

有料老人ホームや特別擁護老人ホームなどの「介護施設」で施設介護士として働くと、まず目にするのが食席などで利用者さんが立とうとすると

「立たないでって言ってるでしょ!」

という介護職員の鬼気迫る声かけだと思います。

僕自身も介護職に転職しはじめの頃は、このかけ声に驚いていました。

介護施設では利用者さんが「立つ」という行為に対して、とてもナーバスになっている所があります。

ではそもそも何で利用者さんは「立ってはいけない」のでしょうか?

高齢者が抱える「転倒リスク」

高齢者になると、当たり前ですが筋力が衰えて来ます。

筋力が衰えると、我々がごく自然にしている行為「立つ」「歩く」ことさえ不安定になっていきます。

成人である我々が日常生活で普通に立ったり歩いたりしていて「転倒」することはほとんどありません。

しかし高齢者になると、特に段差があるわけでも滑りやすい場所で無くとも「転倒」する頻度が高まります。

さらに「認知症」や「脳性麻痺」などの症状を抱えている高齢者であれば、さらに「転倒するリスク」は高まります。

高齢者の場合、骨折どころか転倒によって「死亡」するケースも実は少なくありません。

消費者庁が発表しているデータでは

平成28年のデータですが、90歳以上の実に10万人につき120人以上の人が「転倒」により死亡しています。

それこそ我々成人であれば、普通の道を歩いていて万が一つまずいて転倒しても、反射や全身の筋力のおかげで「受け身」を無意識に取るので「骨折」までいたることは稀だと思います。

しかし高齢者の場合、特に女性であればなおさら骨密度が年齢と共に低くなり、骨自体が非常にモロい状態になっています。

高齢者の転倒に付き物なのが「大腿骨の骨折」です。

高齢になると大腿骨骨折により、二度と歩行が出来なくなり「寝たきり」になるケースは非常に多いのです。

こちらも消費者庁のデータから抜粋しますが

高齢者が介護が必要となった原因として、実に12.5%が「骨折・転倒」によるものだということです。

日常生活での「転倒」が高齢者にとっていかに「危険」かご理解頂けたでしょうか?

介護施設では「転倒させない」

高齢者が「安心」「安全」で暮らせる場所として、老人ホーム、介護施設は存在しています。

ご自身の両親を介護施設に入居させている人からすると、「自宅介護や独居では危険が大きい、介護施設に入居すれば安心だ」と思うのは、ある意味当然だと思います。

しかし介護施設や医療施設で、高齢者の「転倒事故」がまったく起こらないかと言えば、実はそうではありません。

僕は都内の総合病院での勤務経験もありますが、病院内での患者さん「転倒事故」は介護施設の「転倒事故」よりさらに深刻です。

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病院は「病気を治す場所」です。

病気を治す為に入院したのに「転倒」して怪我をして歩けなくなったら、病院側としては「訴訟」も覚悟しなくてはいけません。

介護施設内では、利用者さんは「日常」生活を送っています。

人間が「日常」生活を送る以上、立ったり座ったり歩いたりすることは当然あります。

その「日常」の中で、ちょっとした段差につまずいたり、歩行が不安定フラついたり、最悪の場合「転倒」してしまうことももちろんあるのです。

介護施設内では、介護士が常駐していますが全ての利用者さんにマンツーマンで24時間つきっきりという体制ではもちろんありません。

その為、介護士がどんなに注意を払っていても「利用者さんの転倒事故」は残念ながら「ゼロ」にすることは現状では不可能なのです。

介護施設内での「転倒事故」は誰の責任?

先日こんなニュースが報道され、介護業界が震撼しました。

介助不足で複数回転倒し死亡 介護施設に2800万円賠償命令

京都市山科区の介護老人保健施設「アビイロードやましな」の入居者男性=当時(82)=が、職員の介助不足により複数回転倒して死亡したとして、遺 族が施設を運営する医療法人「稲門会」(左京区)に約4800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、京都地裁であった。島崎邦彦裁判長は、職員の介 助義務違反があったとして同法人に約2800万円の支払いを命じた。

島崎裁判長は、男性が重度の認知症を患っており、転倒のリスクが高い と指摘。施設に入所後、約20日間で3回転倒していたとして、2回目以降の転倒は「頭部を直接床に打ち付け、重大な結果を生じさせる危険が極めて高い状態 にあった」と認定した。その上で、男性が歩行する際に職員が付き添い、介助していれば死亡に至る転倒を防げたとした。

判決によると、男性は2015年8月に施設に入所し、同年11月13日、施設内で転倒。翌日に搬送先の病院で両側前頭葉脳挫傷で死亡した。

【 2019年05月31日 19時09分 】

転倒して死亡した介護施設利用者さんへの責任は「介護施設側にある」と裁判でハッキリしたというニュースです。

このニュースを見聞きした介護職員達からは、実に様々な意見が飛び交いました。

その賛否に関しては割愛しますが、利用者さんの転倒を防げなかった責任は「介護施設」「介護職」にある、という判決が出ている以上その考えが世間の「正」なのです。

しかし上記した通り「日常」生活を送る利用者さんの「転倒事故」を100%防ぐことは、我々介護職からすると「不可能」なのです。

しかし「世間では」利用者さんの転倒は「介護職の責任」とされます。

そこで出て来るのが、この記事冒頭で書いた介護職員の

「立たないでって言ってるでしょ!」

という悲鳴なのです。

介護職の「叫び」の真意

僕のツイートを読んで、実に様々なコメントが寄せられています。

僕はこのツイートの中で「ベテラン介護士のクセに利用者さんに立たないで!って叫ぶのはどーなの?」という問いを投げかけているように読み取れると思いますが、実はそうではありません。

この「ベテラン介護士」は、自分の責任感からそのような「悲鳴」を思わず発してしまっているだけです。

もっと言えば、介護職という仕事に責任を持ち「利用者さんの安全」を思うが故に出てしまっている言葉とも言えます。

しかし問題はこの「ベテラン介護士」が「悲鳴を上げる」状況に陥っていることなのです。

「悲鳴を上げる」状況をよく考えれば、それは「余裕の無い状態」「一杯一杯の状態」ですよね?

自分自身の心と物理的に「余裕」があれば、誰も「悲鳴」なんて上げません。

介護職に就いている方々なら容易に想像出来ると思いますが、フロワーに人員が余裕を持って配置されていていれば、その利用者さんが繰り返し立ち上がっても

「どうなさいましたか?」

「ご一緒に歩きましょうか?」

などと対応が可能なはずです。

僕は僕自身のツイートで「認知症」について触れていますが、実はそれ以上に重要な含みは「ベテラン介護士」の心の状態なのです。

この角度でコメントをくれている方々も多いので、僕のフォロワーさんの読解力にはいつも感謝しています。

家族介護と施設介護の違い

僕のツイートに登場する「ベテラン介護士」が勤務する介護施設は、残念ながら人員が潤沢な介護施設ではありませんでした。

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20床以上あるフロワーの日勤帯の人員はいつも「ひとりぼっち」

それで「立ち上がり頻回」の利用者さんの安全を保持するなんて、物理的に無理な話です。

まずはこの「環境」で運営している介護施設の責任が大きい。

この「ベテラン介護士」は実は悪く無いんですよね。

自分の家族を自分たちで見る「家族介護」と、介護施設等の介護職による「施設介護」との一番大きな違いは「チーム介護」です。

「家族介護」で最悪の場合、妻と夫のマンツーマン「老老介護」というパターンさえ現実の話です。

介護は「人が人をみる」というのが大原則です。

家族であれ介護職であれ「人」である以上介護側にも「限界」が必ずあります。

その負担を「チーム」で軽減できるのが「施設介護」なのです。

僕がツイートした介護現場は、残念ながらその本質を無視した「ブラック介護施設」での話です。

本来の施設介護の理念に基づいて運営されている介護施設であれば、このような「介護職の悲鳴」は起こらないはずです。

立ち上がり頻回な利用者さんへの対処法

「全うな介護現場」という前提が付きますが、立ち上がり頻回な認知症の利用者さんへの対処法は

  1. 「座らせる」では無く利用者さんのしたいようにしてもらう
  2. 傾聴して利用者さんの「したいこと」を聴く
  3. 「立ちたい」「歩きたい」の思いが可能な利用者さんであれば付き添う
  4. 意思疎通が難しい場合、排泄を促してみる

こんな所でしょうか?

ちなみに④の「排泄を促す」で落ち着かれる利用者さんがとても多いのは、介護職の経験者であれば誰もが頷く対処法だと思います。

念のため書きますが「立たないで!」という言葉は、介護業界の中では「フィジカルロック」「ドラックロック」に次ぐ「スピーチロック」に該当し、身体拘束に当たると言われている事はもはや常識だと思います。

僕のツイートに登場した「ベテラン介護士」も、この事実を知らないはずは無いのです。

では一体何故?彼女は「スピーチロック」を利用者さんにしてしまったのでしょうか?

介護現場での問題は「個」が集合し「組織」で対応する

現在日本の介護業界、介護現場はハッキリ言って問題が山積みです。

  1. 利用者さんの「安心」「安全」「人権」を守る事
  2. 介護職員の「安心」「安全」「人権」を守る事

介護現場における問題の多くは、実は上記の2つのカテゴリーのどちらかに分類されると僕は思っています。

しかしこの①と②を両立して守り抜く事は、実は簡単な事ではありません。

でもよくよく考えてみると、このどちらか一方が侵害されてしまっては実は日本の「介護」自体が成り立たなくなるのです。

この①と②を両立させる為には、まずは介護職である我々一人一人の「個」が、介護現場での問題点をしっかりと認識する、さらにそれを「組織」として補い、仕組みとして対策をすることが、とても重要ではないかと僕は考えます。

「組織」だけが理想論を振りかざしても成り立ちませんし、「個」だけが声を荒げても何も変わりません。

介護業界における「個」と「組織」しいては「業界」全体の取り組みが、上記の①と②の両立を実現させる唯一の方法なのでは無いでしょうか?

まとめ

「認知症を理解してない人が介護現場にいる」

と読み解かれるようなツイートでしたが、僕の真意どおり「介護職としてのあり方」「利用者さんへの接し方」にコメントが集中したのには、ツイートした僕本人も驚いています。

僕のツイートを改めて読んで見て頂けると感じると思いますが、実は日本中には本当に意識の高い「介護職」が大勢います。

そんな我々は今の所限りなく「個」です。

本当に全うな考えを持っていても、所属する介護施設の体制や意向で自分の真意が発揮出来ていない介護職員も多いと思います。

しかし僕はそういった思いを諦めて欲しく無いと思います。

未成熟な業界は必ず成熟の方向に向かう

と言うのは、様々な業界を経験した僕が思う一つの真理です。

日本の介護業界は、ほんの少しずつではありますが、実は成熟の方向に向かっていると僕自身は実感しています。

今の環境に諦めず、日々信念を持って介護職に打ち込んでいる人々がいる限り、日本の介護業界の未来はきっとあると僕は信じて止みません。