こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。
僕は43歳「無資格・未経験」で異業種から、介護福祉・医療の業界に転職して来ました。
現在はきらケアで「派遣夜勤専従介護士」として都内の有料老人ホームで働いています。
異業種から「無資格」「未経験」で転職して4年目になる僕ですがこの3年半の間に
有料老人ホーム、特別擁護老人ホーム、都内総合病院などのいわゆる「施設介護」を中心に経験してきました。
特に有料老人ホームは「格安老人ホーム」から「超高級老人ホーム」まで10ヶ所以上の介護施設での勤務経験があります。
「施設介護士」として働いていると、当然ながらその介護施設のことは熟知して行く様になります。
そんな時に思うことは
ってことです。
今後さらに過当競争が予想される介護業界で、勝ち残って行く、生き残って行く介護施設とはどんな所なのだろうか?
今日はそんな記事を書きます。
増え続ける介護施設の倒産
このブログでも散々書いている通り、日本は世界に類を見ないほどの「超高齢化大国」への道をまっしぐらに進んでいます。
そのおかげで我々介護職の仕事は「超売り手市場」
初任者研修や介護福祉士の資格を持っていれば、ほぼ一生仕事に困る事は無いと言われています。
しかしその一方で、実は昨年度の「介護施設倒産件数」が過去最多であったことをご存知でしょうか?
一番多いの業態は「訪問介護事業」ですが、有料老人ホームの業態でも実は全国で多くの施設が倒産、潰れている事がわかります。
「超売り手市場」「万年人手不足」と言われている介護業界。
つまりは利用者である高齢者人口が年々増え続けている今、いったいなぜ多くの介護事業所や介護施設が倒産しているのでしょうか?
介護事業所、施設が倒産する2つの原因
介護事業所、介護施設の倒産の原因は大きく2つに分けられます。
- ずさんな経営による倒産
- 人材不足による事業継続困難による倒産
①ずさんな系家による倒産
これは事業規模の大きい「有料老人ホーム」に多いパターンです。
2006年に世間を騒然とさせたコムスン事件は多額の介護報酬不正請求事件でした。
2019年の今年に入ってから、37ヶ所もの介護施設を経営していた「未来設計」も粉飾決済を繰り返し、オーナーは2億円もの収入を得ていたにも関わらず倒産しました。
世界に稀に見るほどの高齢者人口を抱えた日本では「介護業界」は「儲かる市場」と経済界では認知されています。
その為に「高齢者の為に」とか「日本の将来の為に」とかいう理念は実は全くない「金儲け第一主義」の一般企業が、こぞって参入してるのもまた事実なのです。
そのような会社は、本来ビジネス感覚だけは敏感なので業界参入後、あっという間に介護施設の数を増やす事が出来きます。
しかし内情はまったく介護を知らない経営陣が上層部を占めている為、働く職員や利用者が犠牲になるケースも少なくありません。
②人材不足による事業継続困難による倒産
この第二のパターンは、中小の介護事業所(通所介護事業、訪問介護事業)に多いと予想されます。
この手の業種は実は参入障壁が非常に低く、比較的誰でも「思いさえあれば」開業出来てします業態です。
その為に下手に介護業界で長く働いた「ベテラン介護職」「ベテランケアマネ」などが、独立して開業してしまうと、数年で廃業、倒産してしまうケースが多々あります。
いかに小規模の介護事業所であっても、開業すると成れば立派な「経営者」です。
経営を学んだり実践したことが無い人が、いくら介護に熱い思いがあっても上手く行かないのは当然のことです。
経営と成れば、人材の集め方から教育、そして人材を定着させるノウハウまでの全てが必要です。
付け焼き刃で上手く行くほど、経営は甘く無い、ということです。
あなたの働く施設は大丈夫?
どんなに懸命に熱意をもって介護職に従事しても、自分の働く職場が潰れてしまってはその努力はまた別の現場でゼロから積み上げなくては成りません。
あなたの働く職場は、今後「潰れない」と言い切れますか?
僕は以前、自分で起業した会社を経営する経営者でした。
僕はその当時、自分の経営する会社を海に浮かぶ「船」に例えていました。
末端で働く従業員はさながら「船員」でしょうか。
船は大海(一般経済社会)を船員の手で航海していきます。
その行き先は、会社や企業が掲げる目標地点です。
「売上100億円」という目的地を目指す船(会社)もあれば、「全てのお客様と従業員が幸せになる」を目指す船もあるでしょう。
船員達はその目的地に向かって懸命に働くわけですが、その船が目的地に着く前に「沈んでしまう」のがいわゆる会社倒産、廃業です。
末端の従業員である我々は、一度その船に乗り込んでしまうとおいそれと降りる事は出来なくなります。
その船(会社)の船長(社長)の言葉を信じて最後まで船を漕ぎ続けると、もし船長が判断を誤った場合、一緒に沈んでしまう事になります。
船員に与えられた自由は
どこの船に乗るか選べる
という事です。
選んだ船が「コムスン」や「未来設計」であった場合、自分の選択を悔やむしかありません。
前回このような記事を書きました。
介護業界は真面目でひたむきに働く人材も多い業界です。
是非自分の「船」の全てを信じるのでは無く、自分の一生をかけられる「船」を選んでもらえたらと僕は思います。
潰れる施設そうでない施設
この先の日本は、いよいよ「超超高齢化社会」の本番に突入して行きます。
今後ますますの介護事業所、施設の倒産が予想されます。
その理由は、「超高齢化社会マーケット」を得る為に今以上の一般企業が、介護業界に押し寄せて来るからです。
そうなれば善し悪しは別として、さらに過当競争が介護業界全体で起こる事になります。
確かに顧客に成り得る高齢者の人口は増えます。
しかしその受け皿に成る介護事業所、施設、サービスも増える事になります。
これからの時代は、まさに介護業界での「淘汰」が目に見えて始まると僕は思っています。
その「淘汰」に勝ち残れる施設は「潰れない施設」であり、淘汰に勝てなかった施設はすべて「潰れる施設」になるはずです。
潰れない施設とはどんな施設?
「潰れる施設」で最初に思いつくのは、いわゆる「ブラック介護施設」です。
そのような介護施設が今なお経営が続けられているのは、そのマーケット競争がまだまだゆるいからです。
この先競争が激化すれば、やはりそのような介護施設は必ず「淘汰」されて行きます。
では「潰れない介護施設」とはいったいどういった施設なのでしょうか?
僕は介護職に転職して、施設介護士として多くの介護現場で働いて来ました。
その度に感じるのは
という思いでした。
おそらく介護職として働いている皆さんに聞けば、多くの方が「自分は入居したく無い」と答えると思います。
それは自分一人の責任ではなく、経営側の問題も大きいと思います。
僕自身、10ヶ所以上の介護施設で働いて来ましたが「ここなら自分が入居しても良い」と思える施設はたった一ヶ所です。
しかしそのような施設は、おそらく今後起こるであろう「介護業界の淘汰」にも立派に勝ち残ると思います。
落ち着いて考えれば当たり前の話ですが「自分や自分お親が入居したい、と思う様な施設」を作り上げる事こそ、介護業界の戦国時代を生き抜くたった1つの方法だと僕は思っています。
まとめ
「働いている会社が倒産する」
と聞けば、一般社会で生きるサラリーマンは生涯を掛けた一大事だと思うでしょう。
しかし我々介護職が働く介護業界は、「超売り手市場」の状態がまだ当分は続くと予想されます。
万が一、今自分が働いている介護施設が倒産しても、すぐに別の介護現場で仕事が決まると思います。
しかし正社員(常勤)職員として、数年、数十年の時間をそこで費やした人はまたゼロからそのキャリアを築く必要があります。
そうなるとやはり、今自分が働く介護施設の状態を少しでも良くして行かなくては、今後さらに過熱する介護業界の過当競争に勝ち残る事は出来ません。
日々の仕事の中で
「自分の親や自分が入居したいと思う介護施設」
を作り上げるには一体どうしたら良いのか?
さらなる努力と、知識の向上を職場で活かす必要がるのでは無いでしょうか?