高齢者でも自立する為に

自撮りおばあちゃんに学ぶ高齢者の「生き甲斐」とは|NHKひとモノガタリを観た感想

こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。

僕は43歳「無資格・未経験」で異業種から、介護福祉・医療の業界に転職して来ました。

現在は介護業界でもトップクラスの高単価案件を豊富に持つ、コンプライアンスもしっかりとした優良派遣会社ベネッセMCM で「夜勤専従介護士」として、またカイゴジョブで紹介してもらった「日勤パート介護士」としてWワークをしています。

現在は介護職だけで、月収40万円以上稼いでいます。

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ままる
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やっぱりベネッセで高単価の仕事をしているのが大きいよね

☆ベネッセの介護士お仕事サポート☆

先日NHKのドキュメンタリー「ひとモノガタリ」で放送された

「90歳”自撮り”おばあちゃんの夏」

という番組を見ました。

現役介護士として、高齢者の母を持つ息子としてとても印象深い番組でした。

この番組の中に「今後の日本の超超高齢化社会を生きる本質」が見えたような気がしました。

今日はその所感を書きます。

自撮りおばあちゃんとは

奇想天外なアイディアの「自撮り」写真で一世を風靡した西本喜美子さん。

ゴミ袋に入れられたおばあちゃんの写真や、ご主人の仏壇の前で空中に浮かぶ写真などは一度は見た事があるのではないでしょうか?

Instagramでのフォロワーは205.8千人!

すでのカリスマの域に達している「自撮りカメラマン」喜美子さんは御歳なんと90歳です。

今ではSNSやTVなどのメディアで有名人になった喜美子さんですが、写真を始めたのは72歳の時だというから驚きです。

喜美子さんが写真を始めたきっかけは、長男の和民さんが主催する「カメラ塾」に入塾したこと。

和民さんは、東京、名古屋、大阪、熊本、広島などで写真講座「遊美塾」を主催する現役カメラマンです。

番組の中で喜美子さんは

「自分からカメラをとったらもう何も残らない」

と発言しています。

もはや趣味のレベルを通り越して「生き甲斐」の域まで達した「写真」「カメラ」の世界に喜美子さんを導いたのは、他の誰でもなく長男の和民さんの存在があったからこそなのです。

喜美子さんにとっての写真とは

奇想天外な発想と「老い」をジョークにしてしまうずば抜けたセンス。

一目で多くの人を魅了する彼女の作品は、撮影はもちろん写真の加工もPhotoshopを使って、自分自身で行うと言うから本当に驚きです。

写真を始めた当初、彼女のモチベーションは「若い人に着いていく」「老人だからと言って迷惑をかけない」という所にあったと言います。

しかし現在では、写真やカメラを通じて多くの「友人」とふれ合い、自分のいるべき場所を確立したというのが一番大きいようです。

「写真を撮っていれば多くの仲間と一緒の方向を見ていられる」

「自分はひとりぼっちではない」

番組を見ていると、喜美子さんのそんな思いが表情に現れているような気がしました。

人はなぜ生きるのか?

僕は43歳の時に、介護士という仕事に「無資格・未経験」で転職しました。

介護現場や医療現場で多くの高齢者と接しているうちに

人はなぜ生きるのか?

という非常に大きな命題の答えが見えて来た様な気がします。

この記事にも書きましたが

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人が生きていく理由は

  • 自分の役割の為に生きる
  • 自己実現の為に生きる

大きく分けるとこの二つしか無いように思います。

「親としての役目」や「仕事人としての役目」を一つずつ失っていった高齢者にとって

自己実現の場は「生き甲斐」を得る最期の場所です。

“スーパーボランティア”の尾畠春夫さんにとっての「ボランティア活動」

“自撮りおばあちゃん”の西本喜美子さんにとっての「写真・カメラ」

はまさに彼らにとっての「生き甲斐」そのものなのだと思います。

介護施設で暮らす高齢者の生き甲斐

僕はここ2年ほどで、総合病院、特別擁護老人ホーム、有料老人ホームなど複数の介護施設で「派遣介護士」として働いて来ました。

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僕自信、介護業界に入る前までは「高齢者になって老人ホームに入居するとそこで友人が出来たり趣味の時間を堪能したりして、穏やかな老後を過ごす」のようなイメージが漫然とありました。

しかし現実は必ずしもそうではありません。

もちろん介護施設に入居する時点で、認知症やマヒなどによって「自立生活」が困難な方が多いのも事実です。

しかし僕は有料老人ホームの中では比較的「自立度」が高い、平均介護度2.3程度の介護施設で働いた経験もありますが、高齢者が老人ホーム内で本当に仲の良い友人が出来るのは非常に稀なパターンです。

介護施設側も歌やダンス、書道やフラワーアレンジメントなどレクリエーションを工夫して入居者さんに提供していますが、それらを能動的に掘り下げて趣味にする方は本当に少数派です。

中には囲碁や書道等の趣味を極めようとしている入居者さんもいますが、その多くは「入居前」から趣味であったケースがほとんどです。

つまり老人ホームなどの介護施設に入る前から、自分なりに「生き甲斐」を見つけておかなかった人は、趣味や自己実現の場を後になって得る事は非常に困難です。

残念ながら介護施設で暮らす高齢者の多くは、毎日ひたすらテレビを見て一日を過ごしているのが現実なのです。

しかも「テレビを観る」のではなく「テレビを見る」

ただテレビを眺めているだけの毎日が繰り返されている現実は、介護士になった僕にとっては非常にショックな光景でした。

話は逸れますが、スーパーボランティアの尾畠さんはメディアにとり上げられた事によって、全国から講演依頼が毎日のように来ている現状に

「お金はたとえ100万円でも1000万円でも受け取らない」

と断言していました。

「人の為になる何かをしたい」

というボランティア活動が、尾畠さんの「生き甲斐」そのものです。

仮に「お金」得てしまって「もうボランティアはいいや」と思ってしまうのが恐い、と尾畠さんは言いました。

それほどまでに尾畠さんは自分の「生き甲斐」を失うのが恐かったんですね。

自分自身が高齢者になった時の事を想像してみて下さい。

いったい自分が高齢者になって必要なものは何でしょうか?

それは「お金」ではきっと無いはずです。

「生き甲斐」「役割」「自己実現の場」の無い老後ほど、辛く寂しく悲しい老後は無いと思いませんか?

介護ではなく介助すること

「自撮りおばあちゃんの夏」の番組の中で、非常に印象的だったのが喜美子さんの長男和民さんの言葉の数々です。

喜美子さんに手土産を渡した後、そのビニール袋を片手に小さい体で必死に和民さんの後を喜美子さんが追いかけるシーンがあります。

和民さん
和民さん
僕は荷物は持ちませんよ
和民さん
和民さん
自分の物は自分で持つ。当たり前です
和民さん
和民さん
そして早足で歩くんです。すると彼女は必死に追いかけて来る
和民さん
和民さん
車イスに乗せてたらどんどん歩けなくなっていきますからね

この言葉の中には、我々介護職の基本理念が丸ごと含まれています。

「高齢者」だから「老人」だから手助けしよう。

これは大きな間違いです。

安易に手伝ってしまったり、助けてしまうのは実は簡単なことです。その瞬間は助けてもらった高齢者も感謝するかも知れません。

しかしその「助ける」という行為は、同時に高齢者が「自立する」機会を奪っている行為でもあるのです。

和民さんは自信の母親である喜美子さんに「写真」「カメラ」という「生き甲斐」を与えました。しかしそれはあくまでも「きっかけ」を与えたに過ぎず「やるべきことは自分自身んでやりなさい」という和民さんの理念のもと、喜美子さん自信が本当の「自己実現の場」に成長させたのだと思います。

僕は「派遣介護士」ですが「介護」という言葉が嫌いです。

あくまでも「介助」であるべき。出来ない事を手助けする。いつもそう思って仕事をしています。

高齢者を見守る社会

喜美子さんの長男和民さんは、父が他界したことをきっかけに東京での仕事に見切りをつけ、喜美子さんが暮す地元熊本に戻ってきたそうです。

しかし同じ家で暮らす事はせず、車で30分ほどの距離の場所にお互い一人暮らしをしています。これも和民さんの理念である「自立」を促すための決断だと僕は思います。

この番組の中で、一番僕が感動したのは番組最後の和民さんの言葉です。

喜美子さんが多くの写真仲間と居酒屋で楽しそうに談笑しているシーン。

「親であっても他人なんです」

「放っておけば僕の想像以上の行動をする」

「今まさに、写真仲間と僕の想像を超えた会話をしている」

そう話す和民さんは、少しだけ嬉しそうでした。

年老いた90歳の母親を「助ける」のではなくあくまでも「自立」するように「見守る」

和民さん
和民さん
僕は彼女の面倒をみているんじゃない

 

 

 

和民さん
和民さん
接しているだけです

この言葉に、日本のこれからむかえる超超高齢化社会を生きる全ての人へのヒントがあるように思ったのは僕だけでしょうか?

高齢者は、老人は、「孤独」です。

必ずしも喜美子さんと和民さんのように「親子」や「家族」と近くで生活出来るわけではありません。

介護施設に入居を余儀なくされたり、不自由でも独居生活を強いられる場合も多いと思います。

彼らが一番臨んでいるものは一体なんでしょうか?

それは「安心」です。

「自己実現の場」「生き甲斐」を持って、それに慢心しても「安心」でいられる環境。

高齢者自身も、決して誰かの世話になったり、始めから介護して欲しいと思っている訳ではありません。彼らがして欲しいのは「安心」を与えてくれる「見守り」なんです。

和民さんが喜美子さんにしている「見守り」は、これから人類が経験したことのないような高齢化をしていく日本という国の全ての人の命題だと思います。

まとめ

今日の結論

  • 高齢者は「生き甲斐」を持つべき
  • 高齢者を支える側は「自立」を見守るべき

日本の高齢化率は世界第一位です。

2025年には日本の高齢化率は30%を超え、全国で認知症患者が700万人を突破すると言われています。

2065年には全人口の40%以上が65歳以上の高齢者になるとも予想されています。

この記事を書いている現在時点で、100歳以上の高齢者は全国で6万8千人ほど。

「人生100年時代」

と簡単に言いますが、我々を含めて人類でそこまで高齢化が進んだ状況を経験した国は存在しません。

僕は右も左も分からないまま、介護業界に飛び込みました。

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そこで目にする現実を、少しでも多くの人に知ってもらいたいと思っています。

またスーパーボランティアの尾畠さんや、自撮りおばあちゃんの喜美子さんのようなメディアで「人気者」になる高齢者の番組を見て

「元気でいいなぁ」

という感想だけでなく、高齢者が持つ様々な問題や悩みも同時に感じてもらいたいし、そのような報道の仕方をして欲しいとメディアの方々には期待します。

日本はこれから非常に厳しい時代に入っていきます。

懸命に働いて、税金を納めて、働けなくなったら「不安」しかない老後を送るしか無い国なんてまっぴらごめんだと思います。

僕自身を含めて、多くの高齢者、老人が「豊か」に暮らせる社会は、何も年金だけが問題では無いのです。

個人や社会が、地域の高齢者に対して「見守る」ような仕組みやシステムが確立すれば、それは高齢者の「豊か」な老後に繋がるものだと僕は思います。

これからの日本は「高齢者」「老人」の比重がとても高くなります。

そんな多くの人々が少しでも「豊か」で「安心」できる国になれることを願って止みません。

僕は僕ができることをこれからもしていきます。

この記事を読んで、一人でも多くの人が「高齢者」「介護福祉・医療」に興味を持って頂けると幸いです。

ままる
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介護士ベイベーはこれからも日本の高齢化社会の為になることを発信していくよ