こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。
僕は43歳「無資格・未経験」で異業種から、介護福祉・医療の業界に転職して来ました。
現在は介護業界で今最も勢いのある介護派遣会社であり、トップクラスの高単価案件を豊富に持つ、コンプライアンスもしっかりとした優良派遣会社きらケアで「夜勤専従介護士」として、またカイゴジョブで紹介してもらった「日勤パート介護士」としてWワークをしています。
現在は介護職だけで、月収40万円以上稼いでいます。
※僕が未経験で登録した介護派遣会社はベネッセMCMでしたが、現在ではきらケアに介護派遣会社を変更しています。僕が介護派遣会社を移った理由に関してはこちらの記事を読んでみて下さい。
https://www.kaigoshibaby.com/entry/goodbye-mcm
派遣介護士ではなく「正社員介護士」「常勤介護士」としての転職なら、断然「きらケア 正社員」がおすすめです!
僕が介護職に就いて今年で4年目をむかえます。
前職はITベンチャーの社長です。
先日Twitterで投稿したこのツイートに、僕の思っていた以上の反響がありました。
知り合いの夜勤専従介護士から衝撃な話を聞いた
夜勤入り直前に入院していた父親が危篤だと連絡があり病院に駆けつけたいと施設長に言ったら
「今更行ってどうなるの?」
と一蹴され派遣会社も対応せずに結局朝まで勤務した…
そんな無慈悲な人間が長の施設が利用者を幸せに出来るはず無い
— ままる@異色の派遣介護士 (@mamaru0911) 2019年6月10日
僕のつたない文章力では、この問題についてTwitterでは完結出来そうにもないので、ブログ記事にしようと思います。
あくまでもこの問題に関して「僕の意見」を書いた記事です。
この記事をお読みの方すべてに「同意」を求めている訳ではありません。
異論、反論は結構ですがあくまでも上記の「前提」を認識頂いた方のみ読み進めて下さい。
目次
ツイートの内容
僕が以前働いていた有料老人ホームで同僚だった「A氏」と、久しぶりに連絡を取り合った時に、最近彼が施設を移ったという話が出ました。
A氏は僕と同じ40代の派遣夜勤専従介護士で、介護歴は僕よりも遥かに長く「介護技術」「知識」なにより介護に対する思いも尊敬出来る介護士です。
そんな彼が派遣先はもとより、派遣会社も変えた、というのでその理由を尋ねると
- 夜勤入りの直前に入院していた父親が危篤状態だという連絡が入る(事前に入院の事実は施設と派遣会社に伝えていた)
- 病院に行きたいと施設長に訴えると「今更行ってどうするの?」と一蹴され、結局朝まで勤務した
僕自身、当事者では無いので騒ぎ立てるのもどうかと思いましたが、強い憤りとともにツイートした所、多くの共感を得たので僕自身思ったところをこの記事にしました。
異業種から転職した僕の違和感
僕が介護福祉医療の業界に「無資格」「未経験」で転職してから、ちょうど丸三年が経ちます。
最初は右も左を分からず、戸惑っていましたが1年2年と介護業界での仕事に従事するにつれ、介護業界ならではの「違和感」を感じる様になりました。
僕自身、20代のころに起業しこれまでの人生で3度の起業経験があります。
最初は「飲食業」に携わり、その後「アパレル」「広告代理業」「輸入業」などを経て最後に起業した会社は「IT業界」でした。
複数の業界を経験することによって、それぞれの業界の「特色」や「特徴」を感じていましたが、特に「介護業界」に入ってから感じた「違和感」は他の業種よりも大きいと思います。
介護業界は独特の業界
この記事にも書きましたが
介護福祉医療の業界とその他の「一般業界」とでは、その構造が全く違います。
「一般業界」というのは、営利を目的とする会社組織で、自社でモノやサービスを創造し顧客へ販売して利益を出すことが基本です。
一方「介護福祉・医療」の業界というのは、ざっくり半分は国のお金を取り入れたとても特殊な構造をしています。
「介護福祉・医療」の業界では、利用者さんや患者さんを選ぶことは基本的に出来ません。
「あの人は儲からなそうだから相手にするのは止めよう」
という力が働いてしまっては、そもそも業界自体の本来の目的を失ってしまうので、言ってしまえば当たり前のことですよね。
「一般社会」というのは、あくまでも営利団体なので「儲けの為に仕事をする」ということが大前提です。
つまり極論は
- 一般業界=生み出したお金を分配する
- 介護業界=入って来たお金の中で仕事をする
という構造になります。
その為に働き手の「意識」が、両業界の間では驚くほど違います。
僕が介護業界に転職してみて感じた最大の違和感はこの「意識」の部分です。
社会人になってから介護福祉医療の業界でのみ働いて来た人の「当たり前」は、それ以外の業界で働いて来た人の「当たり前」とは違うと言う事です。
仕事の「やり甲斐」とはなんだ?
仕事をしていく、続けていく上で大切な事は何でしょう?
もちろん人それぞれだとは思いますが、僕の場合は
- 仕事に対しての対価が納得出来るものか?
- 仕事に「やり甲斐」があるか?
以上の二つがとても大きいです。
若い頃であれば、収入が高ければ多少の事は我慢してでもその仕事を続けていくことは出来ました。
しかしある程度の年齢になり、お金に対する執着が薄れて来た今、仕事にとって大切な物はやはり「やり甲斐」です。
その「やり甲斐」も人によって違うと思いますが、僕自身が強く思うのは
働く現場に目標とする人がいるかどうか
は、仕事のやり甲斐に大きく関係していると思います。
少なくとも僕が若い頃は「厳しい」と言われている現場でもキラリと光る上司や先輩がいました。
どんなに辛くても、その人達の姿を見て
「いつか自分もああいう人間になりたい」
と言うのが、自分自身の働く強いモチベーションになっていたのは間違いありません。
リーダー不在の介護業界
僕は介護業界で働いてみて、現状の介護業界の最大の問題点は
介護業界のリーダーが不在である
という事だと思っています。
強いリーダーとは
- 「何があっても前に進む」という強い信念を持っている
- 「この人みたいになりたい」という人間力を持っている
- 自分の言った事、した事に責任を持つ
- 「この仕事に賭ける」という鬼気迫った力を発揮している
というのが、仕事人としての僕のリーダー像です。
僕は介護業界に転職してから、この様な人にはまだ出会ったことはありません。
もちろん僕の経験不足ということもありますし、尊敬できる介護職の方には大勢出会ってきました。
しかし若き日の僕が出会ったような人々に感じた様な、高ぶりを与えてくれる人に僕はまだ出会っていません。
介護業界を丸ごと変えてやる
のような大きな視点で無くても、いちフロアー主任、いち施設長でも良いのです。
その圧倒的な「思い」が感じられるような人材が、どうにも介護業界には少ないと感じるのは僕だけなのでしょうか?
介護職の離職理由
介護職は「キツい」「汚い」「給料安い」の3K業界である、とは世間でよく聞く話です。
特に仕事の内容の割に「薄給」「給料が安い」とは、多くの介護職のボヤキの種なのは現実だと思います。
しかし「高離職率」を誇る介護業界で、その離職の最大の理由は「収入が低い」ということではありません。
上の表は「公益財団法人 介護労働安定センター」が公表している平成28年度「介護労働実態調査」の結果 から抜粋したものです。
離職理由の第一位「職場の人間関係に問題があったため」は、職場でのイジメやパワハラだけが原因では無い様な気がします。
実際に今回ツイートした事案に関しても、A氏の離職理由はこの項目に入ると思います。
ちなみに「収入が少なかったため」という給料的な理由は、第六位です。
この資料だけで全てを決めつけるのもどうかと思いますが、僕の主観だけでなく多くの人が介護職を離職する理由に「人間関係」を挙げているところが、介護業界の本当に改善すべき点では無いかと僕は思います。
A氏が働いていた施設長の言葉
A氏は実直でとても真面目な人です。
乱暴な言い方をすれば、もし僕自身が同じ立場にあったなら申し訳ないですが、仕事をその場で放棄して父親の待つ病院に行ってしまうと思います。
その行為は「職務違反」であるし、社会人として許されるものでは無いかも知れません。
しかし世の中とは人間とは「正論」だけで成り立つものではありません。
人間には「感情」があります。
だからこそ「人間」であり、それが生きている証でもあります。
こんな話は、僕が改めて言う必要が無いほど「当たり前」の話です。
人によっては大きな「矛盾」に聞こえるかも知れませんが、事実人間は「感情」無しで生きてはいけません。
しかしA氏の派遣先である介護施設の施設長は
「今更行ってどうするの?」
の一言で、A氏の感情に蓋をしました。
その行為こそリーダーシップに大いに欠ける行為であると、僕は強く思います。
僕は若かりし頃、グローバルダイニングという外食産業でも「異端」な会社で働いていたことがあります。
「完全実力主義」をうたうその会社は、口では表せないほど「厳しい」現場でした。
「薄給」「3K」の代表格であった「飲食業界」の中で、店長クラスの年収は軽く1,000万円を超えるその給料体系や経営手法は、当時世間でも非常な話題になりました。
「結果が全て」「結果を出せない奴は去れ」というその会社は、今思えばあの時代だからこそ成り立った会社だと思います。
最近、トランプ大統領と安倍首相が六本木の炉端焼き屋で会食をしたニュースがありました。
僕がグローバルダイニングにいた当時、ブッシュ大統領と小泉首相が「日本で初めて」民間のレストランで会食をしました。
その店はグローバルダイニングが経営していた店です。
世間の常識を遥かに超えた世界観で、売上に対する「鬼気迫る」執念を全ての社員が当時は持っていたと思います。
グローバルダイニングは、そこで働く人間の「思い」だけで、自社の業績はおろか「飲食業界」の社会的地位までも押し上げた会社だと僕は今でも思っています。
その会社を一代で築いたのは「長谷川耕造」社長です。
僕は今まで、数多くの経営者に出会って来ましたが「会社経営」「収益」「売上」に関して、彼以上の情熱を感じた人はいません。
悪い言い方をすれば、彼は「数字」しか見ない経営者です。
どんなに「頑張りました」「努力しました」と言っても、それが数字に表れなければ全く評価はされない、言わば「冷酷非常」な経営者でした。
しかし、今回の一件でそんな彼が言った言葉を思い出しました。
「自分の家族が病気であったり助けを求めているのに、仕事に来る様な人間はウチの会社にはいらない」
まさにツイートした施設長と真逆なことを、長谷川耕造社長は20年以上前に言っていました。
長谷川社長の経営手法は、確かに「冷酷」「非常」なものでした。
しかし彼の「人間力」がその裏にあったからこそ、グローバルダイニングはたった一軒の喫茶店から日本を代表する上場企業になれたのだと僕は思っています。
僕自身、一時でも長谷川社長の下で働けた事は「一生の宝物」として今でも強く心に残っています。
同社を辞めて数十年、死ぬまで彼は僕の「カリスマリーダー」です。
本当のリーダーシップとは、こういう事では無いでしょうか?
A氏の働く施設長がするべきだった行動
A氏の訴えに対して、その施設長が取るべき行動はどういったものだったのでしょうか?
僕のツイートにこのようなコメントをしてくれた方がいます。
僕は、副施設長の立場にあるので、こんな状況だと他の職員の応援を手配しつつ、代わりの夜勤を探す、見つからない場合は、自ら夜勤します(元介護職)
そんな施設長最悪😖💦💨— がんがん (@yasu44t) 2019年6月11日
がんがんさんは、副施設長として最悪は「自ら夜勤をする」と発言されいます。
介護業界に「リーダー不在」と書きましたが、このような立派なリーダーも存在していることに、僕はとても希望を持ちました。
多少の給料の差であれば、僕ならばがんがんさんのような管理者がいる施設で働きたい。
これこそが介護職における真の「リーダーシップ」だと思います。
介護職の管理者の皆様にお願いです。
僕の様に介護業界で働く人間達は、あなたの人間性、人間力に救われたり絶望したりしています。
「人の上に立つ」「長になる」ということは、あなたの発言の一つで、人の人生が変わるということです。
これから介護職で、リーダーを担う多くの若者にも是非このことを知ってもらいたいと強く思います。
介護業界で優良な働く場所を探す方法
介護業界が「ブラック」であるというイメージの元凶は「優秀な施設長が少ない」ことが一つの原因だと僕自身は思っています。
介護業界で
「ダメダメ施設長」
が多いのはその人自身が「真っ当な介護現場」で働いた経験が少なすぎるから
ケアのオペレーションから労務管理、人材育成など管理者が思う「当たり前」はその人の経験に依存する「働いて良かった」
と思える現場を増やす事が業界成熟化の一つの手段
— ままる@異色の派遣介護士 (@mamaru0911) 2019年6月20日
施設長自身が労務管理を含めて「全うな」介護現場で働いた経験が少ない為に、自分が施設長になっても従業員の気持ちを顧みない発言を平気でしているような気がしてなりません。
介護業界で「働き甲斐」のある優良な現場を探すことは、「優秀な施設長、リーダー」を探す事でもあります。
新卒でいきなり就職した「介護施設」に「優秀な施設長、リーダー」が存在したならそれは幸運以外の何者でもありません。
人材も含めて未成熟な介護業界で働く以上、僕は「派遣介護士」という働き方をおすすめしています。
派遣であれば契約期間(通常2カ月か3ヶ月)ごとに別の介護現場に移動する事が可能です。
複数の介護現場で経験を積んでいるうちに「優秀な施設長、リーダー」との出会いがあれば、そこが介護人としての「安住の地」になるのかも知れません。
まとめ
今回の僕のツイートで、僕と同じ様に憤りを感じた方々から多くのリツート、いいねやコメントを頂きました。
僕自身、3年前に実の父親を亡くしているのでA氏の受けた扱いに、自分自身を重ねてしまった部分もあります。
この件は確かに
一個人の受けた話
一介護施設の施設長の話
であり、介護業界の全ての介護施設の介護長、並びに責任者や役職者が「悪い」と言っているわけではもちろんありません。
経験不足の僕が知らないだけで、世の中には優れた「リーダーシップ」を発揮している介護業界の仕事人が数多くいることだと思います。
しかし今回の一件のように、決して褒められない人材が介護業界に一部であっても存在するのは事実です。
日本の介護業界は様々な問題を抱えています。
「こんな悪い事があった」
と業界を否定するよりも、
「こんな良い事があった」
と業界を肯定する発信を僕を含め、多くの介護業界人が行う事が介護業界を良くしていく一番の近道だと僕は思っています。
ではなぜ、この記事も含めてこのような発信をしたのかといえば、それは今後僕の後に続く多くの介護業界人に、少しでも「リーダシップ」の意識を持って欲しいからです。
僕の様な中高年では無く、キラリと光る20代30代の人材が介護業界の中心にいるべきだと僕は思います。
圧倒的なパワーと信念を貫けるのは、若い世代です。
どうぞ僕の様な「おじさん」の意見の揚げ足を取るのでは無く、実直に介護業界の強いリーダーシップを取ってくれる事に期待します。
悲しい事ながら、現在の日本の介護業界は「負のイメージの方が強い」と言うのは、介護業界人であれば、誰しも納得出来ることだと思います。
しかしその「負のイメージ」を現実に覆す事が出来るのは、あなたも含めて「人間」の力だけです。
「国が」「世間が」「利用者が」「利用者の家族が」「施設が」
とマイナス要因を愚痴るよりも、現場でより良いリーダーシップを発揮して下さい。
今日よりも明日の介護業界が、少しでも良くなる事を僕は心底願っています。