こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。
僕は43歳「無資格・未経験」で異業種から、介護福祉・医療の業界に転職して来ました。
現在はきらケアで「派遣夜勤専従介護士」として都内の有料老人ホームで働いています。
先日の「敬老の日」に合わせて、総務省が現在の日本の高齢者の数(読売新聞)を発表しました。
- 65歳以上=3588万人(総人口に占める割合28.4%)
- 70歳以上=2715万人(総人口に占める割合21.5%)
- 80歳以上=1125万人(総人口に占める割合8.9%)
- 90歳以上= 231万人(総人口に占める割合1.8%)
皆様は上記の数字を見てどう感じますか?
総人口に占める高齢者の割合の高さは、世界201ケ国の中で第一位です。
現在僕は「派遣介護士」として多くの高齢者と日々接しています。
限りなく「リアルな老い」と向き合っている僕が、この異常なる日本の「超高齢化社会」によって今後この国がどうなっていくのか、日常生活でどんなことが起こりうるのか、限りなまで予想してみようと思います。
増え続ける高齢者たち
上記の数字は2019年9月16日の「敬老の日」に合わせて総務省が発表した数字です。
日本の総人口に占める65歳以上の人口(高齢化率)は、実は今よりも今後さらに増える事になります。
団塊の世代が全員75歳以上になる2025年は、医療費や介護費の大幅増が予想され、一つのターニングポイントと位置づけられています。
さらに僕も含めた「第二次ベビーブーム世代」が65歳以上になる2040年には、
65歳以上の総人口に占める割合は35.3%になると言われています。
ちなみに2040年の社会保障費は190兆円を超えると試算されています。
この事実を受けて、国や政府は「65歳以上」「70歳以上」の雇用を促進した施策を打ち出す等の対応をしています。
しかし現状ではあくまで「自立した」高齢者たちを減り行く「生産労働人口」の穴埋めとして利用する事ばかりが議題にあがり、「自立出来ない」「介助が必要な」高齢者達には一向に光を当てようとしません。
働ける「自立した」高齢者は働き場所が今よりも広がり助かる世の中になるのかも知れません。
しかし僕が「介護職」として日々接しているような「介助の必要な」高齢者達はいったいどうなるのでしょうか?
そのような人々が最も必要としている「年金」は、今から目減りすることは確実であるという議論しか国や政府はしていないのが現実です。
これが「リアルな老後」を知っている人間とそうでない人間の思考の違いなのでしょうか?
世の中の多くの人々も、実は自分自身の「老後」をリアルに危機感を持って考えていない様な気がします。
親や親戚など「身近な人」に介助や介護が必要になった事の無い人にとって「遠い未来」は人ごとなのです。
本当にそれで良いのでしょうか?
高齢化率が世界で第一位の国
このブログでも度々書いて来ていますが、日本の高齢化率は世界第一位です。
先日の読売新聞の記事を抜粋すると
順位 国 高齢化率 65歳以上の人口 1 日本 28.4% 3588万人 2 イタリア 23.0 1393 3 ポルトガル 22.4 229 4 フィンランド 22.1 122 5 ギリシャ 21.9 230 6 ドイツ 21.6 1801
(2019/9/16 読売新聞より抜粋)
現在の日本の高齢化率は、世界でも圧倒的にトップを走っています。
さらに2040年に向けて、加速度を増してこの「世界第一位」の座を守り抜いて行く事になります。
上の表の2位以下の国を見て頂くと分かりますが、2位以下は日本のそれよりも社会保障が優遇されているヨーロッパ諸国の名が並んでいます。
諸外国は来るべき「高齢化社会」に遥か昔から対応を考えて来ました。
しかし我が国日本は、あまりにも行き当たりばったりの政治がたたり、この先大きな「ツケ」を支払う事になるのです。
その莫大な「ツケ」を支払うのは、政治家ではなく僕を含めたこの記事を読んでいるあなた自身なのです。
超高齢化社会の日本の未来を大予想
「世界第一位の高齢化率を誇る」日本の未来は当然明るい物では無い事は、当然どなたでも感じている事だと思います。
- 生産年齢人口はが減る→税収が減る
- 高齢者が増える→社会保障費が増える
これは誰が見ても明らかな事です。
残念ながら「経済的に」日本の未来には好転する具体的要素は全くと言っていいほど見当たりません。
しかし今日の記事では「経済的」な側面よりも、もっと身近な我々を取り巻く社会の変化について予想してみたいと思います。
あくまでも元起業家で会社経営者、現在は現役派遣介護士である僕の目から見た予想です。
共感出来る所もそうでない所もあるでしょうが、良かったらこの記事を読んでいるあなた自身も2040年の未来をリアルに想像してみて欲しいと思います。
高齢者の自動車運転問題
「高齢者による自動車運転の事故」のニュース、以前より増えていると感じているのは僕だけでは無いはずです。
高齢者の絶対数が増えて行けば、当然事故の件数も増えて行くはずです。
世間では「自動運転」「自動ブレーキ」などAIを搭載した自動車開発が着々と進められています。
車自体の性能が上がれば、確かに事故は少なくなるかも知れません。
しかし世の中の「全ての車」がAIを搭載した「自動制御」の車に成らない限り、自動車事故はゼロには成らないのは当然の話です。
昨年頃から「免許返納」に関しての報道も過熱して来ました。
しかし電車やバス、タクシーなどの公共交通機関が発達している首都圏では「免許返納」が可能でも、車に頼った生活を余儀なくされている「地方都市」に暮す人々にとっては、あまりにも現実的ではない事だと思います。
現に僕の母親は遠くは慣れた北海道で「独居生活」をしていますが、日々の生活に車は無くてはならないライフラインです。
今の所運転に支障は無いようですが、数年後はどうなるのか分かりません。
今年の帰省時に「アクセルブレーキ踏み間違い防止装置」を付けて来ようと思っていますが、今の所僕が出来ることはそのくらいです。
総人口の35%以上が65歳以上になる2040年。
街中に高齢者が運転する車が行き交う訳です。
もし、あなたが愛する人が高齢者の運転する車に事故を起こされて亡くなったのしたら、あなたはいったいどう思うでしょう?
「高齢者の自動車運転問題」は今すぐにでも何らかの規制や対策を打つべきだと僕は思っています。
認知症患者の増加した社会
団塊の世代の全てが75歳以上になる2025年の段階で、全国の認知症患者の数は700万人を突破する、と言われています。
介護施設などに勤務する、僕と同じ様な「介護職」であれば認知症患者がどのような行動を取るか想像ができると思います。
しかし実際に認知症患者に接した事が無い人は、その行動を予測する、もしくは想像する事は難しいのでは無いでしょうか?
全国に溢れる認知症患者の全てが、老人ホームなどの介護施設に入居するとは限りません。
むしろ「在宅介護」として自宅で生活する人の方が圧倒的に多いはずです。
在宅介護の場合、家族も365日24時間看ていられるとは限りません。
認知症患者は、人によってその症状は様々ですが我々と同じ様に自分で歩いて電車に乗ったりバスに乗ったりして移動出来る人も多いのです。
家族が目を離した隙に、認知機能が衰えた人が自宅外に出て遠く全く縁の無い場所で保護されたという話は珍しくありません。
自分自身であてもなく歩き回るだけならまだしも、認知症患者の中には他人に暴言を吐いたり暴力を振るったりする人も多く存在します。
もちろんそれらの行動は、その人自身が能動的に行っているのでは無く「認知症」という病気が引き起こしている行動の一つに過ぎません。
その為仮に「認知症患者」が、道行く他人に暴力を振るって死なせてしまっても「法律的」には健常者のそれとはまた別の物になるはずです。
そのような事件、事故が起きれば本人のみならず加害者側の家族も、被害者もその家族も精神的に大きな痛手を負う事は間違いありません。
しかし現在の日本は、このような時代に日々近づいているのです。
超高齢化社会が社会に与える影響は、まだまだあると思います。
超高齢化社会で増える孤独死
僕自身「派遣介護士」として有料老人ホームや特別擁護老人ホームなど多くの「介護施設」で働いて来ました。
その中には利用者が数千万円の入居金を必要とする「超高級有料老人ホーム」から、入居金ゼロ、月額15万円程度の「格安有料老人ホーム」まで様々あります。
「格安」と書きましたが、その有料老人ホームでも基本料金15万円の他に、介護度によってはさらに数万円、やはり月額20万円は最低かかってしまうのが現実です。
あなた自身は自分の老後、月額20万円を死ぬまで払い続けられますか?
当たり前の話ですが、高齢者に成ればなるほど病気や疾病のリスクは高まります。
その度の通院費用や手術費用、入院費用などを考えると「月額20万円」では、とても老人ホーム生活など出来ないのです。
では自分が高齢になって「老人ホーム」に入居出来ない人の場合、どうするのでしょうか?
まずは自宅での生活が余儀なくされます。
子供と同居して面倒を見てもらえる人は幸運ですが、必ずしもそうでは無い人も多いでしょう。
配偶者が死去、もしくはいない場合は「高齢での独居」生活を送る他ありません。
自治体等に相談すれば、ケアマネージャーが付きある一定の介護サービスは受けられると思います。
しかしそれにも限界があります。
今後膨大に増えた高齢者の多くは「孤独死」の可能性も増えるでしょう。
一生懸命に働き、送って来た人生の果てが「孤独死」とは、はたして日本は「豊かな国」と言えるのでしょうか?
高齢者をケアする人材不足
このブログで何度も書いていますが
2025年全国で38万人の介護士が不足する
と言われています。
日本が世界ナンバーワンの「超高齢化大国」になるのは、予測や予見ではなく「確定している」事実です。
しかし現在の日本では、その増え続ける高齢者達を支える人材が圧倒的に不足しています。
その為に僕は、今よりも一人でも多くの人に介護職に就いてもらいたいとこのブログを通して発信を続けて来ました。
特に業界未経験の方であれば、僕と同じ「派遣介護士」であれば介護業界に入りやすいと思っています。
賛否両論ありますが、僕は「正社員介護士」で無くとも「派遣介護士」という立場でさえ危機的な日本の介護業界には助けになると信じています。
介護職は「薄給」「給料が安い」というイメージが強いですが、特に首都圏の派遣介護士であれば、それなりに稼ぐ事も可能です。
僕の様に老人ホームなどの「施設介護士」として働き始めれば、少なくとも介護職の基本を学ぶ事が出来ます。
今後さらに必要とされる介護職、とりわけ訪問介護職はさらなる需要が見込まれます。
今から一人でも多くの人材が異業種から介護職に移り、来るべき日本の危機を少しでも和らげる事が出来ることを願って止みません。
まとめ
分かってはいましたが、敬老の日に合わせて発表された数字を見て僕は改めて危機感を覚えました。
人口の35%以上が65歳以上の国
そんな国はこの地球の歴史上存在した事がありません。
その「超高齢化社会」によって日本の全ての人が受けるであろう「生活の変化」は、今から予測出来ることがほとんどです。
しかし個人レベルで対策が出来る事は限られています。
メディアも含めて日本の社会全体が、大きく「日本の高齢化」について真剣に考え、行動する必要があると僕は強く思います。
日本が高齢者で溢れる事実は変わりません。
そんな時代に自分や自分の愛する人々に「何が起こるか?」を個人それぞれがリアルに予想、予見すれば今から行動しなくては行けない危機感も湧くのではないでしょうか。